ラボ型開発(準委任契約)

🟢「オフショア開発」とは...

システムやソフトウェア開発を海外企業のリソースを活用して行うことです。

当初の目的は、

  • 日本人エンジニアの不足(2030年には 最大79万人不足)
  • 開発予算の圧縮

でしたが、近年では、

  • 優秀な開発リソースの確保
  • カントリーリスクの排除

へと、目的が多岐にわたっています。

「IT人材需給に関する調査」
出典:経済産業省

アジア各国のオフショア開発単価(2022年)
出典:オフショア開発.com

🟢 なかでも「ベトナム」である理由

  • 国を挙げてIT人材の育成に注力
  • 中国やインドよりも安い人件費
  • とても勤勉な国民性
  • 日本語教育が盛んな親日国

IT人材に関する国際比較調査
出典:IPA

🟢「ラボ型開発」とは...

🟡「ラボ型」とは

  • お客様の案件に必要なスキルを持つエンジニアをご用意し、一定期間、海外にお客様の専属チーム(ラボ)を編成します。

  • アジャイルによる開発体制を敷き、「設計」、「実装」、「テスト」のプロセスを繰り返すことで、手戻りを小さく抑えられ、仕様変更や機能追加にも柔軟に対応できます。

  • 案件の繁忙期に合わせて、メンバーの増減を図れるところも、最近のニーズとなっています。

🟡ラボ型開発がフィットするケース

  • リソース不足を、安定的・流動的に確保したい

  • 継続して同じメンバーを確保することで、安定した意思疎通を図り、効率的に開発を進めたい

  • 仕様変更が見込まれるなど、仕様が固まっていない状態からでも着手したい

🟡ラボ型開発のメリット

  • 開発工期の短縮

    請負契約で多く見られるウォーターフォール型開発では、要件定義、基本設計、詳細設計が終わるまでは最終的な見積もりが算出できず、開発に着手できません。

    ラボ型開発では、確定した部分から開発に着手できるため、全体的に工期を短縮できます。

  • 同一メンバーの安定確保による効率化

    請負型開発では、案件ごとにメンバーを編成するため、以前の案件と同じメンバー構成とは限りません。

    ラボ型開発では、継続して同じメンバーを確保しますので、お客様の業界や既存システムなど、情報・知識の蓄積により、意思疎通も安定し効率的に開発が進められます。

  • 仕様変更への柔軟な対応

    請負型開発では、仕様変更のたびに、再見積もりと納期の再調整が必要になります。
    また、その逆に、追加予算やスケジュール変更を避けるため、仕様変更を躊躇してしまいます。

    ラボ型開発では、「確保したメンバー × 期間」の範囲内なら、仕様変更が発生しても追加費用なく、
    柔軟に対応できます。

🟡契約形態

  • オフショア開発には、請負契約(請負型開発) と ラボ契約(ラボ型開発) の2つがあります。

    ❶ 請負契約(請負型開発)

    両社で事前に合意した、仕様・納期・開発費に基づいて成果物を納品する契約です。
    「納期内の成果物の完成責任」と「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」があり、納品後の一定期間は不具合に対して、
    無償で修補するなどの責任を負います。

  • ❷ ラボ契約(ラボ型開発)

    確保したメンバー × 期間に基づいて、エンジニアによる専門的スキルの提供をする準委任契約です。
    「善管注意義務」と「進捗の報告義務」を負いますが、準委任契約により、役務の提供を行う性格上、
    完成責任や保証責任は発生しません。

    (同じく準委任契約である「医師による医療行為」のように、適切な診察・治療を行えば、結果責任は問われないことと同様の考え方です。)