ラボ型開発(準委任契約)
🟢「オフショア開発」とは...
システムやソフトウェア開発を海外企業のリソースを活用して行うことです。
当初の目的は、
- 日本人エンジニアの不足(2030年には 最大79万人不足)
- 開発予算の圧縮
でしたが、近年では、
- 優秀な開発リソースの確保
- カントリーリスクの排除
へと、目的が多岐にわたっています。
🟢「ラボ型開発」とは...
🟡「ラボ型」とは
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お客様の案件に必要なスキルを持つエンジニアをご用意し、一定期間、海外にお客様の専属チーム(ラボ)を編成します。
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アジャイルによる開発体制を敷き、「設計」、「実装」、「テスト」のプロセスを繰り返すことで、手戻りを小さく抑えられ、仕様変更や機能追加にも柔軟に対応できます。
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案件の繁忙期に合わせて、メンバーの増減を図れるところも、最近のニーズとなっています。
🟡ラボ型開発がフィットするケース
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リソース不足を、安定的・流動的に確保したい
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継続して同じメンバーを確保することで、安定した意思疎通を図り、効率的に開発を進めたい
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仕様変更が見込まれるなど、仕様が固まっていない状態からでも着手したい
🟡ラボ型開発のメリット
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開発工期の短縮
請負契約で多く見られるウォーターフォール型開発では、要件定義、基本設計、詳細設計が終わるまでは最終的な見積もりが算出できず、開発に着手できません。
ラボ型開発では、確定した部分から開発に着手できるため、全体的に工期を短縮できます。
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同一メンバーの安定確保による効率化
請負型開発では、案件ごとにメンバーを編成するため、以前の案件と同じメンバー構成とは限りません。
ラボ型開発では、継続して同じメンバーを確保しますので、お客様の業界や既存システムなど、情報・知識の蓄積により、意思疎通も安定し効率的に開発が進められます。
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仕様変更への柔軟な対応
請負型開発では、仕様変更のたびに、再見積もりと納期の再調整が必要になります。
また、その逆に、追加予算やスケジュール変更を避けるため、仕様変更を躊躇してしまいます。ラボ型開発では、「確保したメンバー × 期間」の範囲内なら、仕様変更が発生しても追加費用なく、
柔軟に対応できます。
🟡契約形態
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オフショア開発には、請負契約(請負型開発) と ラボ契約(ラボ型開発) の2つがあります。
❶ 請負契約(請負型開発)
両社で事前に合意した、仕様・納期・開発費に基づいて成果物を納品する契約です。
「納期内の成果物の完成責任」と「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」があり、納品後の一定期間は不具合に対して、
無償で修補するなどの責任を負います。 -
❷ ラボ契約(ラボ型開発)
確保したメンバー × 期間に基づいて、エンジニアによる専門的スキルの提供をする準委任契約です。
「善管注意義務」と「進捗の報告義務」を負いますが、準委任契約により、役務の提供を行う性格上、
完成責任や保証責任は発生しません。(同じく準委任契約である「医師による医療行為」のように、適切な診察・治療を行えば、結果責任は問われないことと同様の考え方です。)